株式投資を始めたばかりの人にとって、「チャート(株価のグラフ)」は少し難しそうに見えるかもしれません。
しかし、基本を押さえるのと押えないのでは根拠のない投資になり、
投資はギャンブルに変貌してしまいます。
この記事では、チャートの基礎である「ローソク足」「移動平均線」「出来高」について、初心者でも理解できるようにやさしく解説します。
チャートとは?
チャートとは、株価の動きを時間軸に沿ってグラフ化したものです。
投資家が「どの価格帯で買い・売りをしているか」を視覚的に把握でき、相場の流れ(トレンド)を読むための重要なツールです。
チャート分析は「テクニカル分析」と呼ばれ、企業の業績などをもとに分析する「ファンダメンタル分析」と対になる考え方です。
短期売買はもちろん、長期投資でも買うタイミングを見極めるうえで非常に役立ちます。
ローソク足の見方
まず最初に覚えたいのが「ローソク足」です。
ローソク足は、1本で一定期間(1日、1週間、1か月など)の株価の動きを表しています。
- 始値(その期間の最初の値)
- 終値(その期間の最後の値)
- 高値(最も高い値)
- 安値(最も低い値)
これらをまとめて1本のローソクのように描いたのが「ローソク足」です。
終値が始値より高い場合は「陽線(白や赤)」、逆に安い場合は「陰線(黒や青)」で表示されます。
- 陽線が続く:上昇トレンドの可能性
- 陰線が続く:下降トレンドの可能性
また、「実体」(太い部分)と「ヒゲ」(上下に伸びる線)を見ることで、
投資家の心理を読み取ることができます。
たとえば、上ヒゲが長い場合は「高値で売られた=上値が重い」サインです。
移動平均線とは
移動平均線とは、一定期間の株価の平均を線で結んだものです。
たとえば「5日移動平均線」は、直近5日間の終値の平均を毎日つなげた線になります。
よく使われるのは以下の3種類です。
- 短期線(5日・10日):短期間の値動きを見る
- 中期線(25日):全体の流れを判断
- 長期線(75日・200日):長期的なトレンドを確認
移動平均線は、株価の方向性(トレンド)をつかむうえでとても便利です。
特に注目すべきなのが、「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」というサイン。
- ゴールデンクロス:短期線が長期線を上抜け → 上昇の転換サイン
- デッドクロス:短期線が長期線を下抜け → 下落の転換サイン
これらを使うことで、「買い時」「売り時」をある程度判断できるようになります。
出来高の読み方
出来高とは、1日にどれだけ株が取引されたかを示す数値です。
チャートの下部に棒グラフで表示されることが多く、「人気度」や「勢い」を測る重要な指標になります。
- 株価上昇+出来高増加:買いが強く、上昇の勢いがある
- 株価下落+出来高増加:売りが強く、下落の勢いがある
- 株価上昇+出来高減少:一時的な上昇(勢いが続かない可能性)
- 株価下落+出来高減少:売り圧力の弱まり、底打ちのサイン
つまり、「株価の動き」と「出来高の変化」を組み合わせて見ることで、
相場の信頼度をより高く判断できるようになります。
実際のチャートで見るトレンドの種類
チャートには主に3つの動き方があります。
- 上昇トレンド
株価と移動平均線が右肩上がり。買いが優勢。
→ 押し目(短期的に下がったタイミング)で買うのが基本。 - 下降トレンド
株価と移動平均線が右肩下がり。売りが優勢。
→ 無理に逆張りせず、トレンド転換を待つ。 - ボックス相場(レンジ相場)
一定の価格帯で上下を繰り返す。
→ 下限で買い、上限で売る短期取引が有効。



このように、チャートは単なる「グラフ」ではなく、
市場に参加する投資家たちの心理が反映された“行動の記録”でもあります。
まとめ
チャートを読み解く力は、株式投資における大きな武器です。
とはいえ、完璧に未来を予測するものではなく、「今どんな流れなのか」を判断するためのツールとして活用するのがポイントです。
- ローソク足で投資家心理を読む
- 移動平均線でトレンドをつかむ
- 出来高で勢いを確認する
これら3つを組み合わせるだけで、投資の精度は大きく変わります。
次回は「チャート分析を使った売買タイミングの見極め方」について、さらに実践的に解説していきます。

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